Blog

ブログ

走行充電器は車だけじゃない、船外機など事業用エンジンへの転用という視点

非常用電源の導入計画を立てる際、多くの企業では「社用車に走行充電器を載せる」という前提でしか検討が進まないことがあるようです。しかし実際には、走行充電器はエンジンの発電機能を使って充電する仕組みであるため、対象は必ずしも自動車に限られるわけではないとされています。今回は、船外機(ボートのエンジン)に走行充電器を取り付けて動作を検証した動画を題材に、車両以外の事業用エンジン付き設備への転用という観点から、非常用電源への投資をどう捉え直せるかを整理してみました。

なぜ「走行充電器=社用車専用」という前提を見直す価値があるのか

走行充電器は、エンジンが発電する電力(オルタネーターの出力)を取り出してポータブル電源を充電する装置です。仕組みそのものはエンジンの種類を選ばないとされていますが、製品の紹介や販売の場面では「車に取り付ける」という説明が中心になりがちで、他の用途が見落とされやすいようです。

車両台数だけで投資対効果を判断してしまう視点の狭さ

非常用電源の導入を検討する企業の中には、社用車の台数を基準に「何台の走行充電器が必要か」を計算し、それ以上の投資は不要と判断してしまうケースがあるようです。しかし、企業が保有する動力源は自動車だけとは限りません。漁業や水上作業に関わる事業者であれば船外機、農業や造園に関わる事業者であれば農業機械や発電機付きの設備など、エンジンを搭載した資産は業種によって多様に存在すると考えられます。社用車の台数だけを基準にすると、こうした周辺資産への転用可能性を検討しないまま投資判断を終えてしまう可能性があります。

一つの投資で複数の用途をカバーできるかという稟議上の論点

設備投資の稟議を通す際、購入する機材が「単一用途にしか使えない」のか「複数の用途に転用できる」のかは、承認する側にとって重要な判断材料になることがあるとされています。走行充電器とポータブル電源の組み合わせが、社用車だけでなく他のエンジン付き設備にも応用できるとすれば、投資の説明材料として汎用性の高さを訴求できる余地が生まれるかもしれません。単一車両専用の設備だと説明するよりも、複数の事業用資産に応用できる仕組みだと説明したほうが、稟議を通しやすくなる場合もあるようです。

業種によって異なる「隠れた対象資産」を洗い出す発想

BCP担当者が非常用電源への投資を検討する際、まず思い浮かべるのは社用車やオフィスの什器であることが多いようですが、実際には業種ごとに見落とされがちな「隠れた対象資産」が存在すると考えられます。建設業であれば重機や発電機、農業であればトラクターや管理機、水産業や港湾関連の事業者であれば船舶や船外機といった具合に、エンジンを内蔵した設備は業種ごとにさまざまな形で存在しているはずです。投資計画を立てる段階で、こうした周辺資産を一度リストアップしてみることが、走行充電器の活用範囲を正しく見積もる第一歩になるかもしれません。

船外機への取り付け検証から見えてきた確認ポイント

動画では、実際に船外機へ走行充電器を接続し、エンジンの回転数に応じて充電が行われるかどうかを検証している様子が紹介されていました。この検証結果から、車両以外への転用を検討する際に押さえておきたい観点がいくつか見えてきます。

配線・電圧仕様が対象のエンジンに適合しているかの確認

走行充電器は、接続対象のバッテリー電圧や配線方式に対応している必要があるとされています。自動車用に設計された製品をそのまま船外機や他の設備に転用する場合、電圧仕様やバッテリー端子の形状が適合するかどうかを、施工前に個別に確認しておく必要があるようです。動画内でも、船外機側の配線環境に合わせた接続方法が検討されていました。車両とは異なる用途に使う場合は、メーカーや施工業者に事前相談したうえで進めるのが安全とされています。

エンジンの稼働パターンによって充電量が変わる可能性

自動車は走行中にエンジンが継続的に回転しますが、船外機や他の作業用エンジンは稼働時間や回転数のパターンが自動車とは異なることが多いようです。稼働時間が短い、あるいは低回転での使用が中心となる設備の場合、想定していたほど充電が進まない可能性も否定できません。転用を検討する際には、対象設備の実際の稼働パターンを踏まえたうえで、充電にどの程度の時間がかかりそうかを事前にシミュレーションしておくことが望ましいと考えられます。

防水・防塵など設置環境に応じた保護等級の確認

船舶や屋外作業機械にポータブル電源や走行充電器を設置する場合、自動車の車内とは異なり、湿気や水しぶき、粉塵にさらされる環境になることがあります。設置する製品や周辺機器が、その環境に耐えられる保護等級を備えているかどうかは、事前に確認しておきたいポイントとされています。防水性能が不十分な状態で屋外の過酷な環境に設置してしまうと、故障や事故につながるリスクも考えられるため、用途に応じた保護等級の製品選定、あるいは追加の防水対策の検討が必要になるようです。

塩害・振動など船舶特有の環境要因への配慮

自動車と船舶とでは、設置環境が受ける負荷の種類も異なるとされています。海上や河川で使用する船舶の場合、塩分を含んだ空気や水しぶきによる金属部分の腐食、波による継続的な振動など、自動車の車内では想定しにくい要因が加わることがあるようです。走行充電器やポータブル電源本体だけでなく、配線材やコネクタ部分についても、こうした環境要因に耐えられる素材・防食処理が施されているかを確認しておくと、長期的な故障リスクを抑えやすくなると考えられます。

多用途転用を前提にした電源投資をどう社内で説明するか

車両以外への転用可能性を投資判断に組み込む場合、社内での説明や運用ルールの整備にもいくつか工夫できる点がありそうです。

部署をまたいだ資産の共同利用ルールをあらかじめ決めておく

走行充電器やポータブル電源を、社用車を管理する部署と、船舶や作業機械を管理する部署の双方で共用する場合、どちらが優先的に使用できるのか、貸し出しや点検の窓口はどこかといった運用ルールを事前に決めておかないと、いざという時に現場が混乱してしまう可能性があります。多用途で使える設備だからこそ、平時のうちに利用ルールを明文化しておくことが望ましいと考えられます。

用途ごとの検証実績を稟議資料に添えられるか

今回の動画のように、実際にメーカーや販売店が異なる用途での動作検証を行っている場合、その検証結果を稟議資料に添えることで、社内の意思決定者に対する説得力が増す可能性があります。逆に、検証実績のない転用方法を独自に試す場合は、思わぬ不具合やトラブルのリスクを伴うことになるため、まずは販売店に対象設備での使用実績があるかどうかを問い合わせておくことをおすすめします。

転用を前提にした保証・サポート範囲の確認

自動車への取り付けを前提として販売されている製品を、船舶や作業機械など別の用途に転用する場合、メーカーの保証やサポートの対象範囲がどこまで及ぶのかを事前に確認しておく必要があるとされています。用途外の使用として保証対象から外れてしまうケースもあり得るため、転用を検討する段階で販売店に相談し、書面などで確認を取っておくと、後々のトラブルを避けやすくなるようです。

まとめ|「社用車専用」という思い込みを外して投資範囲を見直す

走行充電器とポータブル電源の組み合わせは、多くの場合「社用車に取り付けるもの」として検討されがちですが、仕組みそのものはエンジンを搭載した設備であれば幅広く応用できる可能性を持っているようです。業種によっては、船舶や農業機械、その他のエンジン付き設備への転用も選択肢に入れることで、一つの投資で複数の事業用資産をカバーできる可能性が広がるかもしれません。

もちろん、配線や電圧の適合性、稼働パターンによる充電効率の違い、設置環境に応じた防水・防塵性能、保証範囲といった確認事項は避けて通れません。転用を検討する際は、必ず販売店やメーカーに事前相談したうえで、対象設備での実績や適合性を確認してから進めることが望ましいと考えられます。

特に、稟議書を作成する段階では「この投資で何をどこまでカバーできるのか」を具体的に示せるかどうかが、承認のスピードを左右することもあるようです。社用車1台あたりの投資額だけを示すのではなく、船舶や作業機械など周辺資産まで含めた場合の投資対効果を試算し、複数の資産を横断してリスクに備えられる計画であることを説明できれば、限られた予算の中でも優先度の高い投資として認識されやすくなるかもしれません。

社用車の台数だけで投資判断を終わらせず、自社が保有するエンジン付き資産全体を見渡したうえで、非常用電源への投資範囲を検討してみてはいかがでしょうか。業種特有の資産構成を踏まえて一度洗い出しの機会を設けることが、結果として無駄のない防災投資につながる第一歩になりそうです。

▶【YouTubeで動画を見る】https://www.youtube.com/watch?v=K69H_wBrqo4
▶【ボルトワークス公式ショップ】https://voltworks.official.ec/
▶【公式LINEで相談する】https://lin.ee/Cd11jZO
▶【お電話でのお問い合わせ】050-1809-3937