BCP(事業継続計画)の一環として、社用車にポータブル電源を常備する企業が増えてきています。停電時の初動対応や、現場・出張先での業務継続を見据えた備えとして、電源設備の導入自体は着実に広がっているようです。ただ、その一方で「電源は用意したが、盗難までは想定していなかった」という声を耳にする機会も増えてきました。せっかく備えた電源設備が、駐車場でいつの間にか持ち去られてしまっては、いざという時に使えないという本末転倒な事態になりかねません。
この記事では、社用車・現場車両に積んだポータブル電源や高額機材が盗難ターゲットになりやすい理由を整理したうえで、実際にLTE通信対応の遠隔見守りシステム「U3000 Pro」を導入した事例をもとに、企業の資産防衛という観点からBCP対策を考えていきます。すでに電源設備を導入済みの企業にとっても、運用面を見直すきっかけにしていただければと思います。私たちボルトワークスは、元自動車メーカーで培った知見をもとにポータブル電源専門店として法人のお客様のご相談にも数多く携わっており、そうした現場感覚もふまえながら実務に近い視点で整理していきます。

社用車の蓄電池や高額機材が「盗難ターゲット」になりやすい理由
中古市場でも値がつく電子機器という側面
大容量のポータブル電源は、数万円から数十万円するものも珍しくありません。中古買取市場でも一定の値がつくとされており、車内に据え置いたまま人目のない時間帯を狙われるケースがあるようです。特に現場作業や出張、車中泊を伴う業務スタイルなど、車を長時間無人にする機会が多いほど、リスクにさらされる時間は自然と長くなると考えられます。防災目的で用意した設備が、かえって窃盗のターゲットになってしまうというのは、皮肉な話ではありますが見過ごせない視点だといえそうです。
「見えている」こと自体が呼び込むリスク
窓越しに機材がはっきり見える積み方や、同じ場所に長時間駐車し続ける習慣は、意図せず「ここに高額な機材があります」とアピールしてしまっている可能性があります。もちろん盗難の発生には様々な要因が絡むため一概には言えませんが、日中の来客対応や夜間の車中泊時など、ドライバーが車から離れる時間帯をどう管理するかは、法人の資産管理としても検討の余地があるといえそうです。積載の仕方ひとつで、狙われやすさが変わってくるという意識を持っておくことが最初の一歩になります。
現場・出張スタイルの多様化が管理の目を届きにくくする
近年は、営業車内にモニターやノートパソコンを持ち込んで移動中に業務を行う、いわゆる車内テレワークのようなスタイルや、出張先での車中泊を組み合わせた働き方も増えてきているようです。こうした働き方は業務効率化につながる一方で、高額な電子機器を積んだまま車を離れる時間や場所が、従来よりも増える可能性があります。働き方の柔軟化と資産管理のバランスをどう取るかは、企業ごとに検討が必要なテーマになりつつあると考えられます。
被害後の再調達コストと業務停止という二重の痛手
万が一盗難に遭ってしまった場合、失うのは機材そのものの金銭的価値だけではありません。次に停電や災害が起きた際に使うはずだった電源が手元になくなることで、BCP計画そのものが機能しなくなるおそれがあります。再調達には一定の時間もかかるため、その間に非常事態が重なれば業務継続に直接影響しかねません。機材の金銭的な損失と、事業継続上のリスクという二重の痛手を負う可能性がある、という点は、BCP担当者としてあらかじめ認識しておきたいところです。

BCP対策は「電源を持つ」だけで完結しない――見守るという発想
BCP対策というと、停電時にどう電力を確保するかという議論に目が向きがちです。しかし、せっかく用意した設備が盗難や損傷で使えなくなってしまっては、いざという時に機能しません。事業継続の土台には、電源そのものを「調達」することだけでなく、それを「守り抜く」体制まで含まれると考えられます。
スマートフォンでリアルタイムに車内を確認できる仕組み
近年は、スマートフォンと連携し、車内の様子を離れた場所からでも確認できるとされる見守りシステムが登場しています。今回取り上げる「U3000 Pro」もそうした製品のひとつで、車内に設置したカメラの映像を、専用アプリを通じてスマートフォンから随時確認できる仕組みになっているとされています。駐車場から離れていても車内の状況をある程度把握できるという点は、社用車に高額な機材を積む企業にとって、心強い選択肢になり得ると考えられます。
LTE通信が「駐車場から離れても安心」を可能にする
従来のドライブレコーダーの多くは、車内のSDカードに映像を記録するタイプが中心で、異常があったかどうかは後から確認するしかありませんでした。これに対してLTE通信に対応したタイプは、通信回線を介して映像や通知を随時やり取りできるとされ、Wi-Fiの届かない駐車場や出張先でも、ある程度リアルタイムに近い形で状況を確認しやすくなるといわれています。会議中や来客対応中など、車から離れざるを得ない時間帯にも、手元のスマートフォンで様子をうかがえるという安心感は、法人利用ならではのメリットだと考えられます。
見守りに頼り切らない、物理的な備えとの組み合わせ
遠隔見守りの仕組みは心強い備えではありますが、これだけに頼り切ってしまうのも望ましくないといえそうです。見守りはあくまで異常に気づくための手段であり、被害そのものを未然に防ぐには、盗難防止ワイヤーでの簡易的な固定や、機材を目立たせない配置といった物理的な工夫と組み合わせることが望ましいと考えられます。複数の対策を重ねておくことで、ひとつの手段が万一機能しなかった場合の備えにもなります。
複数台導入する場合に意識したい管理面のポイント
営業所や現場拠点が複数あり、社用車も複数台運用している企業では、どの車にどれだけの機材を積んでいるか、管理担当者が把握しきれていないケースもあるようです。見守りシステムを導入する際は、一台単位で完結させるのではなく、拠点や車両ごとの設置状況を一覧で管理できる体制を整えておくと、複数台を抱える企業でも目が届きやすくなると考えられます。担当者の異動があっても引き継ぎやすいよう、設置台数や設定内容を記録に残しておくこともあわせて意識しておきたいところです。

法人が社用車の電源・機材を「守り抜く」ために整えておきたい体制
積載機材の「見える化」を避けるという基本の工夫
ポータブル電源や高額機材を車内に置く際は、外から見えにくい位置に配置したり、簡易的なカバーで目隠しをしたりする工夫が基本になります。ちょっとした工夫であっても、窓越しに機材の存在がわかりにくくなるだけで、狙われる可能性は下がると考えられます。日常的な積み方の習慣を少し見直すだけで実践できる対策であるだけに、コストをかけずに始められる備えのひとつだといえそうです。
駐車場所・時間帯のパターンを可視化しておく
どの拠点で、どの時間帯に無人駐車が発生しやすいかを、現場ごとに一度洗い出しておくことも有効だと考えられます。人通りが少ない時間帯に長時間駐車せざるを得ない場所があるのであれば、管理人が常駐する立体駐車場を優先的に利用するなど、駐車場所の選定基準を社内で共有しておくことも、地道ながら有効な対策のひとつになりそうです。可視化した情報は、見守りシステムを設置する優先順位を決める際の判断材料にもなり得ます。
車両ごとの機材を台帳で一元管理しておく
複数車両を運用する企業では、車両ごとの積載機材やシリアル番号、導入日などを一覧化した台帳を用意しておくことも重要です。万が一被害が発生した際に、何がいつからどこにあったのかを速やかに把握できれば、警察への届け出や保険会社とのやり取りもスムーズに進めやすくなると考えられます。台帳は特定の担当者だけが把握しているのではなく、複数名で共有できる状態にしておくことが望ましいといえます。
保険や再調達の手段もあわせて検討しておく
どれだけ対策を重ねても、被害を完全にゼロにできるとは限りません。だからこそ、万が一の際にすぐ使える予備の電源を確保しておいたり、レンタルサービスや保険による補償の範囲をあらかじめ確認しておいたりすることも、BCP計画の一部として組み込んでおきたいポイントです。見守りや物理的な対策と、被害後の備えを両輪で整えておくことで、盗難という不測の事態が起きた場合でも、事業継続への影響を最小限に抑えやすくなると考えられます。

ここまで、社用車のポータブル電源や高額機材が盗難ターゲットになりやすい理由と、見守りという発想を軸にした対策の考え方を整理してきました。BCP対策としてポータブル電源を社用車に常備する企業が増えている一方で、その電源自体が盗難の対象になり得るという視点は、意外と見落とされやすいポイントです。停電時に確実に使えるようにするためにも、盗難への備えは電源の「調達」と同じくらい重要な検討事項だといえそうです。複数拠点・複数車両を運用する企業ほど、車両単位でのセキュリティ管理には手が回りにくくなりがちです。積載の見える化を避ける工夫や、駐車場所の見直し、台帳での一元管理、そして遠隔見守りシステムの導入まで、できるところから少しずつ整えていくことをおすすめします。私たちボルトワークスは、元自動車メーカーとしての知見を生かし、法人のお客様の電源選びや資産防衛のご相談にも対応しています。社用車の盗難対策を見直したいとお考えの担当者の方は、ぜひ一度お気軽にお声がけください。

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